けんたろうの勉強になりました。

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アンタこの無駄にギザギザのついたパン切り包丁で指すわよ!?

 タイトルのセリフは、恋愛趣味レーションゲーム「Making Loves」より主人公がパンを切っている同棲中のヒロインにところちょっかいをかけ、言われるセリフである。

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よく恋愛趣味レーションゲームもとい美少女ゲームは紙芝居と揶揄されることがある。これはアニメに比べると予算、イラストレーターの人員が圧倒的に少ないため、紙芝居のようにしかキャラクターを動かせない。1シーンで1度しか絵が変わらないなんてこともざらだし、キャラクターの表情は8パターンくらいあらかじめ作って使い回し。だがけして美少女ゲームはアニメに劣っているわけではない、そのような環境だからこそ、進化したものもある。

 

 派手なアクションはできない。キャラの細かな表情で観客の心を揺さぶることもできない。そんな重たい制約を抱えた彼らはどうしているのか。彼らに残された道は2つストーリーを魅力的にするか、面白い会話を繰り広げるかのどちらかだ。しかしヒット作となる作品はそれらのハードルを軽々と越えて行く。

 特に会話が面白い後者のゲームは、絵を動かすことのできない美少女ゲームならではの進化と言えるだろう。会話だけで画面の前のユーザーを笑わすセンス。聞いてきて耳が心地よい言葉のキレ。それらが限られた環境下の中、できることを最大限に発揮し、研ぎ澄まされて言った力と考えると感心せざるおえない。私も見習わなくては。

 

 では冒頭のタイトルとなっているセリフに話を戻そう。私はこのセリフが美少女ゲームを象徴するセリフと言っても過言ではないと思っている。このセリフを聞いたとき、多くのプレイヤーがパン切り包丁の形状を思い浮かべただろう。さらになぜこんなにこの包丁はギザギザしているのかと誰しも一度は思ったこともあるはずだ。

 人は1から全て説明されるよりも、与えられたヒントを元に想像できたときの方が、面白いと感じるようにできている。つまり、アニメだとパン切り包丁を直接登場せざるおえないため、ここまで面白くならないのだ。 このシーンはゲームという自分たちの特性を理解し、アニメより魅力的なものにした開発者の勝利だと思っている。

 

 言葉のセンスとキレで魅力的な会話をし、巧みに想像を掻き立てユーザーを笑わせる。

これこそが美少女ゲームの醍醐味だ。