けんたろうの勉強になりました。

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友達の演劇を観にいったら格安スマホの恐ろしさを思い知らされた話 その2

 K君の20分間に及ぶ前説も終わり、本編が幕を開ける。今回の演劇は現代のロミオとジュリエットをテーマにしており、好きなのにすれ違い続ける2人、届かぬ思いを現代に置き換えることで、よりリアリティーが加わりシナリオにも厚みが出ていたと思う。 しかし現実は時に残酷なものでメッセージやテーマが観客に伝わらないことがあるものもまた事実。なのでロミオとジュリエットをモチーフにしているのをわかりやすく伝えるため、主人公2人の名はロミ男とジュリ美という名前にしていた。わかりやすくなった分、世界観が薄れたような気もするが、そこは取捨選択なのだろう。ちなみにロミ男役はK君。K君大活躍である。

 ここから先は本編に触れるため、ネタバレが嫌な人は読むを控えていただきたい

 

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「人と人が繋が強い、現代社会。でもそれって心は通じ合ってるのだろうか」というロミ男の一人語りで舞台は幕を開ける。現代社会のつながりをテーマにしているだけあってそのあとの展開も2人はすれ違い続ける。ロミ男が送ったラインがいつまでも既読にならず、ジュリ美の心はもう自分にないのだと判断を早まるロミ男。ただの操作ミスなのにロミ男からsnsのフォローを外されていることに気づき激昂するジュリ美。二人はすれ違い続け物語はクライマックスを迎える。

 ジュリ美に思いを伝えようとスマホを手に取るロミ男。しかし彼のスマホは速度制限がかかっており、又しても思いが伝えられない。隣にいた彼の友人はフリーWi-Fiを今すぐ探せという、しかしロミ男は言う「フリーWi-Fiは名前ほどフリーじゃねえんだよ!!」と。そのセリフを言った瞬間、感じる。僕の腕に鳥肌が立っていることを。作中で速度制限の原因は格安スマホ会社と契約したことが発覚し、さらにロミ男は演劇ならではの一人語りを始める「俺は契約から何まで全部1人でこなしてきた。simを取り替えるのだって、回線を新しくするダウンロードだって、格安スマホ会社よ、まだ俺を苦しめるのか!!」とロミ男が叫んだ瞬間、僕の隣に座っていた女子高生は号泣していた。きっと似たような経験があったのだろう。もう格安スマホはこりごりだ。心身共にボロボロになったロミ男。しかしロミ男は知らない、上手と下手両サイドから、docomoのジャンバーを来たお姉さんがロミ男をじっと観ていることを。そこで物語は幕を閉じる。

 演劇を見終えた後、頭がぼーっとした状態で帰路に着く。感動、笑い、恐怖、世の中の創作物にはありとあらゆる感情がつきまとう。しかし今回みた演劇はどのジャンルにも分けられない「よくわからないけど、なんかすごいものを観た」と言ったところだろうか。ブログを書いて言葉で伝えるのが本当に難しかった。読んでる皆様に届かぬ僕の思い。演劇を観た人が感想を伝える難しさを痛感するまでが今日の演劇なのかもしれない。 また観に行こうと思う。